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コラム

「あり方×スキル×関係性」〜三位一体メソッド誕生秘話〜 

     

 

コロナ禍の影響でリモートワークが一気に進み、オンライン上で円滑なコミュニケーションを図るため、「ファシリテーター」の役割がこれまで以上に注目され始めているように感じます。ファシリテーションに関する書籍も増えているようですが、やはり手っ取り早くやり方=方法を知りたい人のためのハウツー本やスキル本がよく読まれているようです。

 

知識が豊富な人を「~に明るい人」と言いますが、未来を切り開くための選択肢を数多く持つことができると確かに人は心に余裕ができます。その意味において、できるだけたくさんの事例、スキル、ツールを持てる組織ほど強い組織ということは間違いありません。

 

そのため、組織を束ねるリーダーは組織のパフォーマンスを高め、チームで共に未来を創造していくための「やり方」や「方法」を効率よく仕入れ、最速で成果を出すように望まれる傾向にあります。「あわよくば、最小限の努力で最大の効果を発揮したい」

 

これがリーダーたる者の本音ではないでしょうか。かつての私もそうでしたから。

 

かれこれ今から20年以上前のことになりますが、私も大企業で組織の風土改革の任務を負っていた頃、私自身も効率至上主義を掲げ、鼻息荒く結果を出したいと焦っていました。だからこそ、手っ取り早く解決策を知りたいという気持ちは痛いほどよくわかります。

 

最前線のコンサルタントと共に選び抜いた最先端のスキルやスキームやツールを我先にと、鳴り物入りで実践する自分に酔っていたのです。その結果、どうなったと思いますか。

 

残念ながら十分な結果が出せなかっただけでなく、誰も私について来てくれませんでした。それだけでなく、よりによって私のいないところでその後の組織に大きな影響を及ぼす、意味のあるコミュニティが出来ていたのです。うすうすは感じていましたが、私はチームのメンバーから避けられていました。よかれと思って講じた策がことごとく総スカンを食らい続けたのは端的に言えば、私が仲間から嫌われていたからです。

 

「私はいい人なのに、どうしてこんなに友達が少ないんだろう」

「どうして私はこれほど嫌われてしまったんだろう」

 

いや、この時ばかりは本当に悩みました。「嫌われることも上司の仕事のうち」と言われることも重々承知で、やはりつらかった。そこから長い、長い、自問自答が始まりました。

 

この時の大きな躓きを経て、私は以後10年にわたり、上場企業をはじめ官公庁など組織の研修開発をスタートさせ、とにかく場数を体験することに没頭しました。

 

蓄積した企業事例は優に2000社を超え、その後、それまでに得た知見を活かし、あらゆる業界、業態、業種を横断した組織開発のセミナーや組織事例分析をのべ170回以上行ってきました。登録会員数が800名を超えるコミュニティからの様々なフィードバックは紛れもなく、私にとって唯一無二のデータベースの源泉となっています。やがて、2009年より、ファシリテーション塾を主催して、300名の様々な業種の方々と共に、今日まで実践と研究を積み重ね、今に至ります。これまで現場で培った経験は競合に類をみないノウハウやスキルの宝庫であることは自負しています。

 

こうしたプロセスの中で、「あり方×スキル×関係性」というメソッドの発見はスキル一辺倒で壁にぶち当たった私を変えた大きな転機となりました。

 

確かに、スキルは重要。とはいえ、スキルだけに依存したコミュニケーションにはやはり、限界があります。自分自身の在り方と、一緒に学び合うメンバーの存在を受け入れ、関係性を見出していくと、想像を越える素晴らしい相乗効果が生まれるのです。

 

「あり方×スキル×関係性」の三位一体メソッドはデータの宝庫であるスキルを最大限活用するための最強の手段になりうる。

 

次回は「あり方×スキル×関係性」の概要をもう少し詳しく紐解いていきます。

 

 

代表取締役 中島崇学

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