心理的安全性とは?高める方法やメリット、環境の作り方を紹介
近年、企業やチームにおいて心理的安全性が注目されています。心理的安全性が高まることで、チームの生産性やイノベーションが向上することが研究で示されています。
本記事では、心理的安全性を高める方法について解説します。
目次
- 心理的安全性の定義と特徴
- 高める方法①:オープンなコミュニケーション
- 高める方法②:リーダーシップの鍵
- 高める方法③:組織文化の整備
- 高める方法④:個人のマインドセット変革
- 心理的安全性の評価とモニタリング
- 心理的安全性が活かされる分野
- まとめ
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心理的安全性の定義と特徴
心理的安全性とは、一体どのようなものでしょうか。また、なぜそれが重要なのでしょうか。本章では、心理的安全性の定義と特徴について解説します。
- 心理的安全性とは
- 心理的安全性の効果
- 心理的安全性の3つの要素
心理的安全性とは
心理的安全性とは、対人関係においてリスクのある行動を取ってもこのチームは安全であるという考えを全てのメンバーが共有している状態を指します。具体的には、率直な意見やアイデアを自由に発言できる環境が整っていることが重要です。心理的安全性が高まることで、チームメンバーはお互いを信頼し、協力し合って問題解決やイノベーションに取り組むことができます。詳しくはこちらの記事を参照してください。
心理的安全性の効果
心理的安全性が高まると、メンバーは工夫や創造や挑戦の意欲が湧き、チームの生産性やイノベーションが向上します。これは、チームメンバーが自由に発言できることで、多様な意見やアイデアが共有されたり、葛藤が建設的に解決されたりしてチーム学習が進み意思決定や行動の質が高まることが要因です。また、心理的安全性が高いチームでは、メンバーのストレスや離職率が低くなる傾向があります。これにより、チームの安定性が向上し、長期的にも成果を出し続けることができます。
心理的安全性の3つの要素
心理的安全性を高めるためには、以下の3つの要素が重要です。
オープンなコミュニケーション
上司・部下間やリーダー・メンバー間や先輩・後輩間といった役割や立場に関係なく、互いに意見やアイデアを職場のミーティングや1 on 1の場で自由に発言できる環境を作ることが重要です。傾聴(アクティブ・リスニング)やフィードバック文化の構築、透明性の促進などを行いましょう。
リーダーシップ
リーダーがメンバーをサポートし、信頼関係を築くことが求められます。失敗を許容し、環境を整えることがリーダーの役割です。
組織文化の整備
組織全体で心理的安全性を促す価値観を共有し、チームビルディングや多様性の推進を行うことが重要です。
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高める方法①:オープンなコミュニケーション
心理的安全性を高めるための最初の方法は、オープンなコミュニケーションを実現することです。具体的な方法として、傾聴の導入やフィードバック文化の構築、透明性の促進が挙げられます。
- 傾聴の導入
- フィードバック文化の構築
- 透明性の促進
傾聴の導入
傾聴とは、相手の話を真剣に聴いて、内容の理解に努めるだけでなく、気持ちや感情や真意も受容するように接する姿勢のことです。このスキルを身につけることで、互いの信頼関係が築かれ、心理的安全性が向上します。傾聴を含むコミュニケーションの方法や練習方法については、こちらの記事を参照してください。
フィードバック文化の構築
リーダー・メンバー間やチームメンバー同士が互いに相手の目標達成や成長や意欲向上に貢献するフィードバックを行い合う環境を整えることで、心理的安全性が高まります。定期的にフィードバックの機会を設けたり、建設的なフィードバックの方法を共有したりすることが有効です。具体的には、日ごろから一人ひとりのメンバーの現状(出来ているところ、努力、価値観、強み、持ち味)をよく観察して、観察したことを肯定的に伝え、さらに目標達成に向けての必要なアドバイスとして、可能性に目を向けたフィードバックをするのが有効です。
透明性の促進
リーダーから必要な情報が共有されないと、メンバーは不信感を抱いたりメンバー同士で事実でないストーリーを作りあげて独り歩きしたり自らも情報を共有することを躊躇したりします。透明性を高めることで、チームメンバーが情報を共有しやすくなり、組織の意思決定のプロセスに参加しやすくなります。これにより、心理的安全性が向上します。具体的な方法として、有意義な目的(存在意義、全体像、ミッション、理由)や具体的な目標(達成水準、手段、プロセス、方法)を明確に伝えることや、情報共有のためのミーティングやオンラインツールの活用が挙げられます。オンラインミーティングの効果的な進め方については、こちらの記事を参照してください。
高める方法②:リーダーシップの鍵
心理的安全性を高めるための次の方法は、リーダーシップの向上です。リーダーがメンバーをサポートし、信頼関係を築くことで、心理的安全性が向上します。
- リーダーの役割と責任
- サポートと信頼の向上
- 失敗やミスへの寛容さの重要性
リーダーの役割と責任
リーダーは、チームメンバーが心理的安全性を感じる環境を作ることが求められます。具体的には、メンバーの意見を尊重し、問題解決のサポートを行い、失敗やミスを許容することが重要です。ときには、自分の過去の失敗体験をユーモア(例えば、失敗しても乗り越えたことを今では笑って面白く振り返られるような内容のもの)として話すのも場が明るくなり親近感が増すので有効です。リーダーの役割や責任については、こちらの記事を参照してください。
サポートと信頼の向上
リーダーがメンバーをサポートし、信頼関係を築くことで、心理的安全性が向上します。具体的な方法として、定期的な1対1のミーティングや、メンバーの成長をサポートするための研修やリスキリングなどが挙げられます。リスキリングについては、こちらの記事を参照してください。
メンバーが、自分はリーダーから信頼されているという感覚を持つことも大切です。リーダーはメンバーにタスクを任せたりアドバイスを求めたり小さな悩みを打ち明けたりすることも信頼関係の向上につながります。
失敗やミスへの寛容さの重要性
メンバーはリーダーから自分がどのように評価されているか常に気にしています。リーダーが失敗やミスを許容し、チャレンジを奨励することで、チームメンバーは心理的安全性を感じることができます。具体的には、失敗やミスを学びの機会と捉え、メンバーにフィードバックを提供することが重要です。失敗やミスを活用する方法やチームの学習については、こちらの記事を参照してください。
高める方法③:組織文化の整備
心理的安全性を高めるための第三の方法は、組織文化の整備です。心理的安全性を促す価値観を共有し、チームビルディング活動や多様性の推進を行うことが重要です。
- 心理的安全性を促す価値観
- チームビルディング活動の活用
- 多様性と包摂性の推進
心理的安全性を促す価値観
組織全体で心理的安全性を促す価値観を共有することが重要です。人は脅威を感じると発言を控え沈黙する(回避行動)ので、発言を報酬と感じて声を上げる(接近行動)ような取り組みや働きかけをすることが有効です。具体的には、オープンで対話を重視する文化や、互いの尊重を大切にする文化を育てることが挙げられます。組織の価値観については、こちらの記事を参照してください。
チームビルディング活動の活用
チームビルディング活動を通じて、メンバー同士の信頼関係を築くことが心理的安全性の向上に繋がります。互いのストーリーを分かち合って価値観を尊重し、チームのゴール・ルールを明確にして見える化すると一体感が高まります。また、日頃から各メンバーの名前を読んだり挨拶を励行したりことで、自分の居場所と感じられるようになります。具体的なチームビルディングの方法やゲームについては、こちらの記事を参照してください。
多様性と包摂性の推進
多様なバックグラウンドを持つメンバーが相手を否定することなく、互いに理解し合い、協力し合う環境を作ることで、心理的安全性が向上します。具体的には、異文化理解やジェンダー平等や世代間ギャップを乗り越える相互理解の推進などが挙げられます。
高める方法④:個人のマインドセット変革
心理的安全性を高めるための最後の方法は、個人のマインドセットを変革することです。自己認識の向上や他者への共感力を養うことが重要です。
- 自己認識の向上
- 他者への共感力を養う
- ポジティブなアイデンティティの育成
自己認識の向上
自分自身に対する認識を高めることで、自分の強みや弱みを理解し、他者と協力しやすくなります。自己評価やフィードバックをチームメンバー同士で実施し、それを素直に受け入れることで自己認識をより向上させることができます。
他者への共感力を養う
人は自分では見えないこと(例えば、自分の想いや考えは伝わっているか、話がどこまで進んでいるか、相手が何を考えているか)があると不安を感じます。他者への共感力を養うことで不安解消につながり、メンバー同士の信頼関係が築かれ、心理的安全性が向上します。具体的には、傾聴やアサーションなどのコミュニケーションスキルを身につけることが挙げられます。共感力やコミュニケーションスキルについては、こちらの記事を参照してください。
ポジティブなアイデンティティの育成
アイデンティティとは自分は何者であるかを自己定義したものです。ポジティブなアイデンティティを育てることで、自分に自信を持ち、他者との協力が円滑になります。自分の成果を素直に認めるように心がけ、チームの成功は常に共有するようにしましょう。
心理的安全性の評価とモニタリング
心理的安全性を維持・向上させるためには、定期的な評価とモニタリングが重要です。定性的・定量的評価方法の活用や継続的な改善プロセスを実施しましょう。
- 定性的な評価方法
- 定量的な評価方法
- 継続的な改善プロセス
定性的な評価方法
定性的な評価方法として、アンケートやインタビューなどを通じてメンバーの意見や感想を収集することが挙げられます。これにより、チームにおける心理的安全性の現状把握や問題点の特定が可能になります。
定量的な評価方法
定量的な評価方法として、心理的安全性に関連する指標を定め、数値化することが挙げられます。チームのパフォーマンスやメンバーの満足度などが指標になります。適切な指標を定め、定期的にその指標を評価しましょう。
継続的な改善プロセス
心理的安全性の評価とモニタリングを通じて、継続的な改善プロセスを行うことが重要です。評価結果に基づいてアクションプランを策定し、実施・検証を繰り返しましょう。継続的な改善プロセスを行うことによって、徐々にチームの心理的安全性を向上させることができます。
そして、全てのメンバーの心理的安全性の向上が重要なので、定量的指標の全体平均が上がっても心理的安全性を感じないメンバーがいる場合は、リーダーが個別に寄り添っていくことが求められます。
心理的安全性が活かされる分野
さまざまな分野で心理的安全性を高めるための取り組みが行われています。
- 企業における心理的安全性の取り組み
- 教育機関での心理的安全性の実践
- スポーツチームにおける心理的安全性の活用
企業における心理的安全性の取り組み
企業においても、心理的安全性の取り組みが積極的に行われています。オープンなコミュニケーションやフィードバック文化を育てることで、従業員の満足度や業績が向上しています。具体的な取り組み事例については、こちらの記事も参照してみてください。
教育機関での心理的安全性の実践
教育機関では、心理的安全性の実践を通じて、生徒や教員のコミュニケーションが向上し、学習効果が高まっています。具体的には、傾聴やフィードバックを取り入れた授業や研修が行われています。
スポーツチームにおける心理的安全性の活用
スポーツチームでも、心理的安全性の活用がチームのパフォーマンス向上につながっています。具体的には、選手やスタッフ間の信頼関係を築くことで、連携やコミュニケーションがスムーズになり、チームの成績向上に寄与しています。
まとめ
心理的安全性は、組織やチームの円滑なコミュニケーションやパフォーマンス向上に大きく寄与します。オープンなコミュニケーション、リーダーシップの鍵、組織文化の整備、個人のマインドセット変革など、さまざまな要素を総合的に取り組むことが求められます。
また、心理的安全性を維持・向上させるためには、定期的な評価とモニタリングが重要です。定性的・定量的評価方法を活用し、継続的な改善プロセスを実施しましょう。
この記事を参考にして自分たちの組織やチームにも心理的安全性を取り入れ、より良い成果を出せるようにしていきましょう!
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