コンセンサスとは?利点と欠点、適用方法、必要なスキル、注意点について解説
コンセンサスという用語は英語の「consensus」からきており、意見の一致や合意という意味があります。コンセンサスを取ることは、グループ内で合意が得られ、行動への同意を得ることを指します。コンセンサスが使われる場面は、政治的、ビジネス、社会的な意思決定に使われ、意見の合意に達することで、優れた意思決定を促進し、グループの結束力を高め、参加者全員の声を尊重することが期待されます。
この記事では、コンセンサスがどのように形成されるか、その利点と欠点、そしてコンセンサスがどのように適用されるかを一般的な視点に加えて、株式会社共創アカデミーが考えるその本質を交えて、詳しく見ていきます。
目次
- コンセンサスが形成されるプロセス
- コンセンサスの利点
- コンセンサスの欠点
- コンセンサスの適用
- コンセンサスに関するよくある質問
- まとめ
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コンセンサスが形成されるプロセス
コンセンサスを形成するためには、グループ間で話し合いを密に行う事が重要です。話し合いによって、グループのメンバーが意見を交換し、意見の相違点を解決することにより、コンセンサスを形成します。このプロセスでは、各メンバーが自分の意見を述べ、他のメンバーの意見にも注意を払い、解決策を見つけるために努力することが求められます。
このプロセスについて私たちは、丁寧な対話(ダイアローグ)を行うことが必要であると考えています。具体的には、メンバーに共通する基盤を探し、より良い選択肢を探求することを目的とすること。共通の理解を目指す態度として、相手を理解しようとする姿勢、意義を見出す聞き方、自分の感情・体験・価値観に基づいた話し方、等が必要になります。
コンセンサスの利点
コンセンサスを得る利点とはなんでしょうか。以下では、一般的に挙げられる主な利点と私たちが考えるコンセンサスの意味を説明します。
- 優れた意思決定の促進
- グループの結束力を高める
- マイノリティの声を尊重する
優れた意思決定の促進
コンセンサスは、グループ全体が一致した見解を持つことを目的としています。このプロセスにより、グループはより良い意思決定をすることができます。コンセンサスは、グループのすべてのメンバーの意見を考慮に入れ、より包括的でバランスの取れた意思決定を促進します。
私たちは、コンセンサスによる合意と行動への同意がなされている状態を「この決定は私の当初の意見と100%一致しないかもしれないが、私はこれを100%支持する」と定義しています。
グループの結束力を高める
コンセンサスは、グループの結束力を高めることができます。グループ全体が意見を一致させ、共通の目標に向かって行動することで、グループ全体が協力的になり、結束力が強化されます。
「皆は私の意見を理解・納得・腹落ちした。私は皆の意見を理解・納得・腹落ちした。」という状態になることで、グループの結束力が高まると考えています。
参考記事▶︎▶︎▶︎【チームビルディングとは?】ビジネス効果と方法を徹底解説
マイノリティの声を尊重する
コンセンサスは、マイノリティの意見や考えを尊重することができます。コンセンサスにより、グループは少数意見を無視することなく、マイノリティの意見を取り入れることができます。これにより、グループ全体の視野が広がり、より多様性のある意思決定ができるようになります。
多様性のある意思決定がなされたとき、例えば以下のような状態が起こることもあるでしょう。
- お互いの考えや想いが響き合っていた感覚がある
- お互いをより深く理解することができた感覚がある
- 個人のレベルを超えた新しい知識の創造や発見があった
- グループに共通の価値観が生まれ、コミットメントが高まった
- すべての参加者に安心感があり、認められている感覚が持てている
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コンセンサスの欠点
一方で、コンセンサスには、いくつかの欠点があると言われています。以下では、一般的に指摘される主な欠点について見ていきます。
- 時間とエネルギーの消費
- 意見の妥協が必要になる
- 強制力が不足している
時間とエネルギーの消費
コンセンサスは、グループ全体が一致した見解を持つことを目的としています。このプロセスには時間がかかるため、多くのエネルギーを消費するとの指摘があります。また、グループの規模が大きい場合は、コンセンサス形成がより困難になる可能性があると指摘されることもあります。
コンセンサスを得るプロセスには一定の時間が必要になることは確かです。私たちは真のコンセンサスを得るための対話の手順を踏むことで、この時間を有意義な時間とし、結果として、最も有効な行動に導くための最短経路となることを目指します。
意見の妥協が必要になる
コンセンサスにより、グループ全体が一致した見解を持つことを目的としています。このため、各メンバーは自分の意見を妥協してしまうこともあるかもしれません。時には、個人的な優先事項や考え方が犠牲になる可能性もあるでしょう。
私たちは、コンセンサスを「真の合意を得ること」と位置付けています。十分に意見を出し合える場をつくり、妥協や犠牲ではなく、「皆は私の意見を理解・納得・腹落ちした。私は皆の意見を理解・納得・腹落ちした。」という状態を目指すことを推奨しています。
強制力が不足している
コンセンサスは、グループ全体が一致した見解を持つことを目的としていますが、強制力が不足しているため、実際の意思決定に影響を与えることができないとの指摘があります。
コンセンサスを「参加者全員が理解・納得・腹落ちした」状態であるとするならば、そこには、強制力ではなく、実現したいゴールが共有されたことによる内発的動機が生まれています。
この内発的動機が意識決定を実現する力になります。私たちは、適切な対話メソッドによる組織コミュニケーションのプロセスを踏むことこそが、グループの主体性を引き出すことにつながると考えています。
コンセンサスの適用
コンセンサスは、政治的、ビジネス、社会的な意思決定に使用されます。以下では、主な適用分野を説明します。
- 政治的意思決定
- ビジネス意思決定
- 社会的意思決定
政治的意思決定
政治的意思決定において、コンセンサスは、政治家や政府のメンバーが共通の目標を達成するために使用されます。政治的意思決定において、コンセンサスは、グループ全体の意見を統合し、妥協点を見つけることによって、意思決定を促進します。
ビジネス意思決定
ビジネス意思決定において、コンセンサスは、ビジネスのリーダーシップチームが、ビジネス上の決定を下すために使用されます。ビジネス意思決定において、コンセンサスは、グループ全体の意見を反映し、企業の成功に貢献することができます。
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社会的意思決定
社会的意思決定において、コンセンサスは、社会的問題に対する解決策を見つけるために使用されます。社会的意思決定において、コンセンサスは、多様な意見を考慮に入れ、問題解決に寄与することができます。
コンセンサスに関するよくある質問
以下は、コンセンサスに関するよくある質問です。
- コンセンサスと多数決の違いは何ですか?
- コンセンサスを形成するためには、どのようなスキルが必要ですか?
- コンセンサスは常に最適な解決策を導くのでしょうか?
コンセンサスと多数決の違いは何ですか?
多数決は、多数の票を集めた選択肢を採用する決定方法です。一方、コンセンサスは、全員が合意に達するまで話し合い、対話を続ける方法です。多数決は、少数派の意見を無視することができますが、コンセンサスは、参加者全員の意見を尊重することができます。
対話による真のコンセンサスが得られた上で、最終決定を多数決によって決定するという進め方もあります。この様に対話と議論の使い分けを意識して合意形成を図ることは、組織開発にも大変有効な方法であると、私たちは考えています。
コンセンサスを形成するためには、どのようなスキルが必要ですか?
コンセンサスを形成するためには、コミュニケーションスキル、リーダーシップスキル、コンフリクト解決スキル、問題解決スキル、ファシリテーションスキルなどが必要です。また、共感力も重要なスキルです。
これらのスキルは関連し合っていますが、私たちは「あり方」×「スキル」×「関係性」の3つが重要な鍵になると考えています。そして、具体的に取り組むための手法をワークショップや研修として提供しています。
コンセンサスは常に最適な解決策を導くのでしょうか?
不十分なコンセンサスでは、常に最適な解決策を導くとは限りません。単純な妥協を伴う決定では、最適な解決策を導くことができません。例えば、グループが同じ情報や知識を持っていないときや、不十分な情報や知識に基づいたプロセスでは、最適な解決策を導くことはできません。
私たちは、単なる問題解決を超えて、目指すべきゴールを見つけることに繋がる真のコンセンサスを目指します。そのために、より良い選択肢を探求し、最適な結論を共に創る対話メソッドを提供して参ります。
まとめ
コンセンサスは、グループ内で合意が形成され、多くの人々が一致した見解を持つことを指します。コンセンサスにより、優れた意思決定を促進され、グループの結束力を高まり、参加者全ての声を尊重することができます。そして、コンセンサスのプロセスに丁寧な対話を取り入れることによって、参加者の内発的動機を引き出し、グループを有意義なゴールに向かう「チーム」とすることができます。
コンセンサスを形成するためには、メンバーに共通する基盤を探し、より良い選択肢を探求することを、話し合う上での前提とします。また、共通の理解を目指す態度として、理解しようとする姿勢、意義を見出す聞き方、自分の感情・体験・価値観に基づいた話し方、等が必要になります。そして、真のコンセンサスを得られると、優れた意思決定の促進、グループの結束力の強化、参加者全員の声の尊重が得られます。そのために、時間とエネルギーを有意義に使うこと、意見の妥協ではなく共創すること、同意を強制するのではなく内発的動機を引き出すことを意識した取り組みが必要になります。
コンセンサスは、政治的、ビジネス、社会的な意思決定などに使用されており、コンセンサスの形成にはコミュニケーションスキル、リーダーシップスキル、コンフリクト解決スキル、問題解決スキル、ファシリテーションスキルなどが必要となります。
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