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コラム

未来であなたを待っている人がいる

     

先頃、ベテラン層のマインド研修という思いがけないオファーがありました。

日頃、組織のリーダーや未来のリーダーとなるべき若手候補のための研修やセミナーを行っている私たちにとっては初めての挑戦でしたが、新たな学びと手ごたえが得られました。今日はその時の体験をシェアしたいと思います。

 

 

研修内容は50代のベテラン社員の方々に今後のビジョンメイキングをしていただき、次に思い描いた未来のための行動指針を一緒に考えていくものでした。

 

未来のことを考えるセミナーでしたが、まずは過去、ここでは入社からこれまでのキャリア人生について振り返ることから始めました。

 

当然、山もあれば谷もあります。

自分にとってはかけがえのない物語ですが、他人にとってはそうとも限りません。

そのため、自分の過去を思い出し、人前で話す機会など、なかなかないでしょう。

これまで自分は何を大切にして働いてきたのか、仕事の原動力は何か、どんな判断と選択を行ってきたのか、譲れないもの、守りたかったものは何か、どんな挑戦をしてきたのか……。

 

最初は半信半疑でこの研修に参加されたであろう方もわが身を振り返り、他者の自分物語に耳を傾けるうちに、どんどん表情が明るくなっていきました。

 

 

たったひとりで行う自分との対話とは異なり、目の前に自分の話を聞いてくれる人がいることで、最初は話してみようなどとゆめゆめ思わなかったことがふいに口をついて出てきたり、他者の話から思いがけないことが引き出されたり。

ごく自然に会話に血が通い、その場が見違えるほどにみずみずしくなっていきました。

 

 

思い出す。REMEMBERには再構築という意味もあります。

自分の物語から「価値観を生きていく」ことを知り、自分への期待や役割から「環境に活かされている」ことを知る…。

そして自分を再構築してみる。

そのことで自分という存在の意味づけをし、改めて皆さんが現在の自分を受け入れられたのかもしれません。

 

 

「どんな時にも人生には意味がある。未来で待っている人や何かがあり、そのために今すべきことが必ずある」

 

 

ヴィクトール・E・フランクルがこんな言葉を遺していますが、記憶を辿り、自分の存在を意味づけすることは未来の創造力につながるのではないか。

 

その場にいて、私はそんなことを感じたのです。

 

 

研修の後、こんなフィードバックをいただきました。

「同世代の悩みを共有して気持ちが楽になった」

「同僚の話に刺激され、今後の行動や役割を考えるきっかけになった」

「普段考える機会がなかった今後の人生について対話していく中で、大切なことに気づくことができた」

「自分との対話は案外難しいけれど、人に聞かれて答えながら思いがけない自分に気づかされた」

 

悩みや躓き、影もまた意味があります。

おかげ(、、、)さまで、いまの自分がいる。

そう思えたなら、すでに未来の扉は開いている。

私はそう信じています。

代表取締役 中島崇学

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