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コラム

あなたは今日、何を見ましたか?

     

風薫る5月です。

皆様はゴールデンウィークをどんなふうに過ごされましたか。

 

目に鮮やかな新緑を楽しみ、若葉の匂いを嗅ぎ、頬をなでる風に身を任せる。

 

そんな時間を堪能された方も多いことでしょう。

 

 

実は私は連休に先駆け、先月、沖縄の海を眺めながら心身ともにリフレッシュするという贅沢な時間を味わうことができました。

 

今日はその時に感じたことをお話させてください。

 

 

美しい大自然に囲まれ、ただ海を眺めている時、名状しがたい気持ちが無尽蔵に込み上げてきて、心が揺さぶられました。

世界との一体感を全身で感じながら、どんどん心が透明になっていきます。

こんこんと感謝の気持ちが湧いてきて、その後で使命感にノックされたような気持ちが訪れました。

 

 

思わず、「なぜ、こんな気持ちになるのだろう」と考えを巡らせたくなりました。

 

 

波の音、鳥のさえずり、頬をなでる風、潮の匂い…。

五感を総動員してすべてを受け止める。

と、同時に私の全てを受容し、包み込んでくれる世界の存在をありありと信じることができました。

 

こんな私でも受け入れてくれるという、愛され感。

愛されている、というありがたい気持ちに包まれながら、自然と気力が上がり、自分を受容してくれる世界にお返しをしたい、とさえ思いました。

 

さらに全てが統合された世界でいま自分が感じているこの気持ちを忘れず、ここからビジネスを発想したらどうなるかと考えたのです。

 

そこで、「お返ししたい」という情に存分に浸りながら事業計画を考えたところ、非常にいい感じで捗りました。

 

 

「全ては情から始まる」と信じて、仲間たちと共に知と情と意のバランスを模索しながら始まった新年度でしたが、情から一足跳びに知や意を目指しても、ビジネスの現場ではなかなかスムーズに進まない原因も実は情にあると感じたのです。

 

 

多くの経営者やリーダーが成果を急ぐあまり安定を欠いてしまうのは環境に対する恐れや怒りを持ちながら、それをないものとして分析や判断(つまり分別)に徹しようとしてしまうからではないでしょうか。

 

我々現代人は客観的で中立で冷静であろうとするあまり、他人と自分を常に区別して考える癖が身についてしまっています。

そのくせ、ひとたび思い通りにならない事象が起きると猛烈に腹が立つ。

感情に支配されたくないと願いながら、どっぷり感情に左右されてしまう。

 

 

やはり、大事なことはベースとなる気持ちにあると言えそうです。

 

 

全身で世界と一体感を感じることは、目の前でおきる出来事の全てを無分別にあるがままに受け止めることに他なりません。

世界をまるごと堪能する。

 

こんなに単純なことが、どうして難しいのでしょうか。

 

 

目が見えない、耳が聞こえない、口がきけない。生涯に渡り、三重苦を負いながら生き抜いたヘレン・ケラーは「3日間だけでも目が見えたら」というエッセイにこんな言葉を遺しています。

 

 

明日、視力を失ってしまうかもしれないと想像してみてください。

 

あなたの目は命まで見過ごしていたものに目を向け、見るものすべてを愛おしく感じるでしょう。

他の感覚にも同じことが言えます。すべての感覚を最大限に使って、この世が見せてくれる喜びと美しさを讃えようではありませんか。

でもきっと、

見えるということは何より素晴らしいに違いない。

 

#『What have you seen today?』より意訳

 

 

そして、私たちに問いかけるのです。

 

 

「あなたは今日何を見ましたか?」

 

 

           かりゆし58『アンマー』を聴きながら

 

代表取締役 中島崇学



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