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コラム

明るく、楽しく、超然と。

     

かれこれ10年前、野中郁次郎さんの講演会で聞いた言葉を最近よく思い出します。

「新しい時代のリーダーに求められる要諦をひとつだけ挙げるなら、明るさです」

という何気ない一言だったのですが、あらゆる分野でビジネス基盤が大変動している現在こそ、「いよいよ、そうだな」と実感せざるを得ません。

 

まさにいま、多くの企業の眼前に暗雲がたれこめ、悲観的な要素が山積です。

何もコロナ禍だけが理由ではないでしょう。

あらゆる分野で事業課題が表面化している一方で、株価が連動していない不気味さ。

あたかもやがて急落が始まる兆しと捉える向きも多いようです。

こうした環境下においては、ただ悲観的になることは、逆に得策ではなさそうです。

深刻さは何をも生まないからです。

こんな時こそ、足元に目線を落として過ぎ去ったことをくよくよと考えるよりも、青空を見上げ、ちょっと先の未来に希望をはせ、理想を思い描きながら、にこやかに過ごす明るさが必要ではないか。

そう思うわけです。

 

こんな話をすると「明るさとは生まれながらの資質なのだから、根暗な自分はどうしようもない」と嘆く人がいます。本当にそうでしょうか。

 

『しょせん、幸せなんて自己申告。』という綾小路きみまろさんの本もありますが、明るさとは具体的な方法論さえ知れば実現できるメカニズムにすぎないと私は考えています。

 

長い間私たちは常に他者と比較し、「勝つか、負けるか」互いに競い合う社会に馴らされ、不機嫌な生き方に甘んじてきました。

この競争社会においては効率よく短期間で成果を上げることが尊ばれました。

問題解決という命題に急き立てられるように、私たちはいつも目先の利益を追い、用意された答えをいかに探し出すか、足元だけをみつめる癖がついてしまったのです。

実はこれ、非常に環境に依存したあり方です。

この依存症は見返りや打算といった損得勘定と表裏一体ですから、当然、利権の温床となります。

利権のあるところに人は群がりましたが、「どっちが得か」の比較地獄はしょせん、嫉妬地獄。

その結果、現代の政治経済のさまざまな場面で覇権争いの崩壊劇が露呈しているではありませんか。

 

「見返りなんか期待せず、周りの人に優しさを無作為に与えましょう。大丈夫!いつか誰かがあなたに同じことをしてくれます。」

これは故プリンセスダイアナ王妃の言葉でしたが、打算してうまく立ち回る時代はもうおしまい。

これからはしっかり社会の役に立つという超然とした態度で臨みたいものですね。

 

競争から共創へ。

新しい時代に必要なのは自ら動き、自ら考え、自ら答えを創る力です。

リーダーとなる人は理念や使命といった信じるものを持ち、未来の希望を語ることができる人こそ、ふさわしい。そう思いませんか。

それに伴い、これまでビジネスモデルとなってきたコミュニケーションの質もかわらざるを得ないでしょう。

 

主張と評価と操作のコミュニケーションから共感と信頼と活かしあう鼓舞のコミュニケーションへ。

言い負かしが目的のディスカッションではなく、共存共栄のための対話を。

本来、仕事そのものが楽しく、喜びを内在させるものならば、自然と喜びがあふれ、ひとりひとりの目標達成力は磨かれていきます。

世のため、人のため。他人様のお役に立っていると感じられる貢献の精神と自己成長という内発動機ほど強いモチベーションはないからです。

 

一人で背負い込まず、ひとりで頑張りすぎず。

仲間との良縁を感謝し、自分らしさが活かされていることを喜び合うコミュニティ。

そんな環境が持てる人は自然と笑顔になります。

他人に無駄な緊張を強いることなく、リラックスした明るさを漂わせています。

言わば、ファシリテーティブで明るいリーダーシップです。

これこそ私たち共創アカデミーが以前から提供してきた、「あり方×スキル×関係性」という三位一体メソッドに通底するメカニズムにほかなりません。

 

どうやら、私たち共創アカデミーの風が吹いてきたようです。

 

―――明るく、楽しく、超然と。

 

新年度を迎える4月のキャッチフレーズとして、ぜひお試し下さい。

 

                       代表取締役 中島崇学

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