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コラム

信じることは成長の基本

     

先回、「信じる力を養う居場所づくり」というコラムでいまの私が漠然と描いている最高の居場所についてお話させていただきました。

最初の一歩を踏み出すための、自分なりの宣言でしたが、思いがけない反響がありました。

 

 

「信じることに理由はいらないということですか」

「期待しても裏切られるばかりの部下をどう信じたらいいでしょうか」

「信じたくても、やる気のない部下を信じることができません」

 

 

実はこうした質問はセミナーや研修でお会いするリーダークラスの方からも大変よく聞かれます。

 

そこで今日はそう聞かれた際、いつも私が話していることを共有しましょう。

 

 

そもそも部下と向き合うとき、リーダーのあり方として重要なことはふたつあります。

 

一つは目的志向を共有すること。もうひとつは相手を信じること。

 

 

信じることは成長の基本。私はそう信じています。信頼と期待が人を育てるからです。

こんな話を聞いたことがあります。

成績が同じ10人をランダムに2組集め、担任の教師に一方には「優秀な生徒の集まりです」と伝え、もう一方は「問題児の集まりです」と伝え、半年間指導に当たってもらった結果、前者のグループの生徒の成績が格段に伸びたというものです。

教師の期待感が生徒に共鳴し、よい結果を招いた好例といえるでしょう。

 

 

皆さんご存じのピグマリオン効果のひとつですが、信頼や期待が一方的な押し付けになってしまえば、ご都合主義の誘導や洗脳になりかねません。

 

 

信じられると人は育つ。

だからといって、相手は決して自分の思い通りにはならない。

そう心得ることが肝要です。

実はこれが出来ていない上司が少なくないようです。

 

 

他人と過去は変えられません。それが前提です。

 

その上で部下が毎日繰り返す行動をしっかり観察し、日々の積み重ねの中に現れる彼らの特徴や事実や傾向性をしっかり分析し、彼らの強みや持ち味や日々の努力を認める。

プラスになる行動とマイナスになる行動を洗い出した時、マイナスの行動ばかりが気になるなら、部下の行動を当たり前だと思っていないか、部下に対して感謝の気持ちはあるかを自問して欲しいのです。

出来て当たり前、ミスなくて当たり前。あなた自身がそんな「カチカチ脳」になっていないでしょうか。

そんな思い込みの押しつけからは決して信頼など生まれないでしょう。

 

 

その自問自答が出来た上で、部下と1対1でしっかり向き合い、対話をする機会を持ちましょう。

この時、自分が信じられる未来のヴィジョンをいきなり共有しようなどとはゆめゆめ思わないでください。

 

 

信頼関係は一足跳びに構築できるような簡単なものではありません。

まして、自分の価値を評価される側の部下にしたら、あなたとの面談は恐れや不安で満ち満ちています。

 

 

まずは2人で共有している事実やリソースを分かち合い、日ごろの行動や努力を認め合い、ちょっとずつ肯定感を高めていく。

まだ見えていない未来の可能性を一緒に探り、出来うる行動の選択肢を吟味し、共に創りあげていくイメージを持ってブレーンストーミングができるとなおいいですね。

その後で部下の思い(will)に耳を傾けましょう。

 

 

いちばん大切なことはあなた自身が部下の成長を諦めないこと。

その気持ちが本物であれば、必ず相手に伝わります。

自分の持ち味をわかってくれる人がいる。

その安心感の中で部下自身が自分の成長が信じられるようになることが理想です。

そうして部下本人も気づいていない可能性を引き出せたなら。

未来はすでに微笑んでいるはずです。

 

                             代表取締役 中島崇学

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