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コラム

舞台で満喫する、優しい風

2021年。新しい年を迎えた年頭に、みなさんはどんなビジョンを思い描いたでしょうか。

巷では「風の時代」の到来とも言われているそうです。

これまで長らく続いてきた、目に見える物質世界を重要視してきた地の時代から精神性やアイデア、目には見えない関係性やコミュニケーションに価値観を置く風の時代へ。

その転換は、まさしく変革の時代の幕開けにふさわしい響きです。

 

今回のタイトルである「舞台で満喫する、優しい風」は16年前の私が手帳に書き留めた言葉です。

確か、コーチングの勉強を始めたばかりの頃、「自分にキャッチフレーズをつける」という命題をもらい、命名したものです。

あの時、「どんなに困難なことがあっても、自分自身は優しく地を払う、優しい風のようでありたい」と思ったことをよく覚えています。

誰かにとって、そんなさわやかな存在でありたい、という願いはいまでも私の中に生きており、ファシリテーターを生業として現在に至るわけですから、まんざらでもなかったようです。

 

風は目には見えませんが、人々の士気やモチベーションを鼓舞し、仲間を巻き込み、成長へつながる息吹です。チームにおける質のいい仲間づくりや場づくりにおいて、実はなくてはならないものです。

 

現在ビジネスの現場で叫ばれているDX化も、目に見えないサービスや関係性のよりよい構築、組織づくりと捉えるならば、「風」を象徴する、不可逆的な時代の趨勢と言えるでしょう。

 

昨年末、ご縁があって「経営者が指揮する企業のDX組織変革・人財戦略の実践とは」というセミナーで登壇し、話しをする機会に恵まれました。

「変革チームのためのDXファシリテーションメソッド」と題し、主にオンラインを活用したチーム創りについて、共創アカデミーの実践知を紹介させていただいたのですが、まさか自分が舞台に上がってDXについて語るなどという現実は1年前の自分であれば、夢にも思っていなかったことです。

 

私は共創アカデミーを法人化し、新たな思いで研修プログラムを準備していた矢先にコロナ禍に見舞われました。つまり、「やむを得ず」オンライン化に踏み切ったに過ぎません。

私たちにとってのオンラインコミュニケーションとはDX化を目的としたDXのためのメソッドではなく、それこそ、「がむしゃら」の死活問題だったのです。

 

せっかくなので、この場を借りて、時系列でざっくり振り返ってみることにします。

 

オンライン研修を実現させるために、まず、私たちがしたことは目標設定でした。4月の段階でまず、「やる」ということを決め、メンバーを決め、ルールとゴールを設定しました。

「何をすべきか」を決めることは、「何を止めるか」を明確にすることでもありました。

4月の末からゴールデンウィークまで、とにかく目標を定め、やることが明確にし、集中する。ここまではあっという間の、一気呵成の出来事でした。

手探りながらとにかく前に進むことで、自分たちが変わっていった。そんな気がします。

日中は業務に追われるビジネスパーソンが対象のオンライン研修活動は夜がメインとなるため、もともと朝方だった私でさえ、次第に夜型に変わるなど、習慣の変化も伴いました。

試行錯誤の6月、7月を経て、「何が何でも続ける」と腹を括った夏以降は、実践したことを振り返り、体系化し、さらなる挑戦へというルーティンの始まりです。

思い起こせば、あの頃は1日がとてつもなく長く感じられました。

「まだ1週間しか経っていないの?」という思いと、1週間前を恐ろしく大昔に感じる感覚が交錯しているような……。

 

私がセミナーで皆さんにお話したDXファシリテーションメソッドとは、この時の体験に基づく組織づくりです。

 

主体性の構築(ビジョン・価値観の共有)、多様性の相互リスペクト、一体感の醸成。

名付けて、オーセンティックチームビルディング。言ってみれば、自分軸からスタートする、質のいい仲間づくり、心理的に安全なチーム創りです。

 

チーム創りのメソッドに関しては、たくさんの反響をいただきました。とりわけ、オンライン化を「やる」と覚悟した時の心境を尋ねられることが多かったのですが、前述の通り、「やむを得ず、始めるしかなかった」というのが本音です。

 

ただ、今思えば、達磨大師の「一華開五葉(いっかごよう)」の心境に通じるでしょうか。一つの花に五弁の花びらが開き、やがて自然に実るという意味で、対句に「結果自然に成る」と続きます。

 

先行き不透明な未来を心配してあれこれ嘆くよりも、目の前の事象をありのまま受け止め、どんな美しい花が咲くのか。どんなおいしい実がなるのか。希望の匂いがする未来を思い描くほうがずっと楽しい。そんな心境だったことはよく覚えています。

 

2021年は「辛丑」の年。希望の光は見え始めていますが、まだまだ辛抱が続く年回りともいわれています。そんな時こそ、優しい風を自分の中に起こすことが求められるはず。

 

お互いに、いい風吹かせましょう。

 

代表取締役 中島崇学

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