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コラム

あるがまま

     

若葉の美しい季節。緊急事態宣言も地域により解除されつつある朝。今日もチームひだまりの4名がオンラインで対話をしています。


 

Waka:この「対話の縁側」を始めた頃は、「在宅勤務の人とリモートワークの人が混在しています。」というような話をしていましたが、その後状況が日々変わっていっているなあと改めて感じます。

 

カーナ:本当にそうですね。そして状況は大きく変わっていくのですが、そこから出てきた対話の内容は、普遍的でどのような状況にも当てはまるものだなあとも思いながら読み返していました。

 

とうりょう:どんどん変わっていくもの、という意味では「あるがまま」の状態というのはとどまることなく、どんどん変わっていくのですよね。例えば富士山の「標高」などの仕様は変わらないけれど、そこに立つ富士山の姿は「夕焼けの富士」や「雪の富士」など一瞬一瞬変化していっているのです。でもどのような状態の富士山も、すべて「富士山」という存在であるのですよね。

 

Waka:今まであまり意識したことはなかったのですが、「あるがまま」という言葉には、どのような状態であってもそのまま受け入れるような懐の深さを感じます。

 

カーナ:そういう意味では、自分としては「自分らしく」とか「あなたらしく」という言葉に少し違和感を感じてしまうことがあります。自分は常に変化しているのに、「あなたらしく」と言われると、その中の一部を押し付けられているように感じるからなのかもしれません。

話しながら、以前娘が言っていたことを思い出したのですが、「人は自分の過去の記憶の中にある相手だと思ってその人と話している。それは過去のその人であって、その後の体験によって今のその人は別の状態になっているのに。」と。

自分を振り返っても確かにそうだなあと。だからこそ、ファシリテーション塾で学んだ「観照術」を使って、今の状態をしっかり観ることが大切なのでしょうね。

 

とうりょう:確かに自分の過去の体験に執着すると、同じことは2度起こらないということはよくありますね。自分の成功体験にしがみつくのではなく、何が本当に大切なのか、ということなのですね。ハインツ・コフートの言葉で「成功の秘密は努力ではなく愛である。」というものがあります。若いころ愛に包まれて育った人が自分も大きな心を持ち、成功する確率が高いのだそうですが、そうなってくると努力というよりは「愛」がすべての根底だということなのですね。根底に愛があれば、何かにしがみつくことなく、変化に柔軟に対応できるということでしょう。

 

Waka:そういう意味で言うと、先ほどの「あるがまま」という言葉から感じる懐の深さもそのまま受け入れるということはまさに「愛」なのだと思います。

 

とうりょう:そうですね。根底に「愛」があるということが真の「あるがまま」ということでしょうね。私はよく神社に行くのですが、神社はだれでも入れますね。そこへ行くと、神社の木々たちが来る人達すべてを受け入れ、喜んでいるように感じるのです。

実際には我々の社会は不平等で不完全なところもたくさんあるのですが、だからこそこの世界は彩り豊かになっているのです。その不平等さや不完全さを愛するところまで心を広げられたらよいなあと思います。

 

縁楽:ここまで聴きながら、「あるがまま」の状態を受け入れることで、自分はどうするのかを決めていく、その繰り返しなのだなあと思っています。状態を受け入れるときに、観照術のように俯瞰して受け入れることができると、その後の自分の行動も変わってくるのだろうなあと思いました。神社の木をみて「喜んでいる」と受け取ると、その後の自分の行動も違ってきますよね。

 

カーナ:縁楽さんの話を聞いていて思ったのですが、「あるがまま」を受け入れるのはその前提としてこの世界を「愛」で受け止める、というものがあるのだろうなあと思います。とうりょうは、世界を「愛」で観ている、だからこそ神社で木々が喜んでいる、と感じられるのではないでしょうか。

 

とうりょう:縁楽さんが言ってくれたのは、自分を客観視して「あるがまま」を受け入れるということですね。空からの視点で観る、とも言えますね。そしてカーナが言ってくれたようにもう一つ、ひとりひとりが神秘的な違う世界を生きているという見方もあります。生きていくには、その両方の目線がどちらも大事なのです。

 

 


 

根底の「愛」を持って「あるがまま」を受け入れていくと、その次の自分の行動も変わってくる、そんな大きな愛で世界が満たされる時、人は幸せを感じるのでしょう。自分のあり方、受け取り方で世界は変わっていく、そんなことを感じた朝でした。

 

※この対話は2020年5月30日に行われたものです。

waka 記

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