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コラム

信じる力を養う居場所づくり

     

まだまだ寒い日が続いていますが立春も過ぎ、暦の上ではいよいよ春です。

 

この年末年始、私にはずっと心から離れない、強い思いがありました。

まだ形になり切らない、未完成なヴィジョンではありますが、今日はこの場を借りて宣言します。

 

 

今年、共創アカデミーはあらゆる業種のリーダーを巻き込んだ、最高の居場所づくりをしたい。

 

 

私たちが目指すのは、日ごろ立場や責任や義務を背負ったリーダーが、所謂しがらみから離れ、自分の本心や高邁な理想(真心や志)と真摯に向き合うことができる場所です。

そこでは思い切り笑うことができ、思い切り泣くことができる。

他人から評価されたり、部下を評価したりする日常とは異なった、非日常の場で仲間たちと共に純粋に理想や希望や喜びについて語り合い、共鳴し、分かち合う。

そんな、最高の居場所です。

 

 

影響力のある各界のリーダーがアイデアやイノベーションやクリエーションを持ち寄り、互いに調和し合い、連携することができたなら次世代の社会に貢献できる新たな創造が必ずや生まれると私は信じるからです。

 

 

作家で起業家でもある、マーガレット・へファーナン氏がTEDの「予測不能な世界に必要な人間のスキルとは」というプレゼンテーションの中で語ったエピソードが非常に印象的でした。

それは苦境に陥った経営者のほとんどが苦難を乗り越えるために必要としたスキルとして友達や同僚の力を挙げたということです。

仲間がいたおかげで頑張ることができた。

決してデータやテクノロジーの力ではなかったのだ、と。

 

 

組織の中で経験を積み、リーダーシップを張っているという自負のある者同士がお互いの心を開き、「どんな社会になったらよいのか」と互いの思いを語り合える場所があったなら。

そして、そうした縁がきっかけとなり、希望に溢れる未来を共に創造していくことができたなら。どんなに素晴らしいことでしょうか。

一人で悶々と思い悩んでも決して浮かばなかったアイデアや知恵が信じあえる仲間とつながり合い、語り合うことで引き出される。

自分の中に眠っていた力さえも、思いがけずふと引き上げられる。

そんな体験が当たり前のようにできる場所。

他人を信じ、未来を信じ、自分を信じる力を養える、最高の居場所。

そんなヴィジョンを思い描いています。

 

 

「たとい、法然聖人にすかされまいらせて、念仏して地獄におちたりとも、さらに後悔すべからずそうろう。」

 

 

これは私の好きな親鸞の言葉です。

もし仮に、法然上人にだまされても、念仏して地獄に堕ちたとしても私は決して後悔しない。

 

ここには人から信頼を勝ち取るための条件など一切ありません。自分が信じた道を信じる力があるのみです。

 

信じる力を愛という言葉に置き換えてもいいかもしれません。

試しに、エーリヒ・フロムの『愛するということ』の有名な一説に登場する「愛」という言葉を「信じる」という言葉に置き換えて読んでみましょうか。

 

 

「人を愛する(信じる)ということは、なんの保証もないのに行動を起こすことであり、こちらが愛せば(信じれば)きっと相手の心にも愛(信頼)が生まれるだろうという希望に全身を委ねることである」

 

「愛されることよりも愛することを。」

 

 

信じられることよりも信じることを自ら選ぶ。

いったん信じると決めた居場所に自分を丸投げしてみる。

最初は何の保証もない場に自分を委ねることに抵抗を感じていた人が真心で向き合える仲間がいる場に居合わせることで凝り固まった緊張や恐れや不安から徐々に解き放たれ、心穏やかな表情になっていき、自然と笑みがこぼれていく。

そんな場面に何度も遭遇してきた私はそこで初めて見える世界がきっとあるはずだと確信しています。

 

 

そうした場で「他人を、未来を、自分を」信じる力を体感できたなら、その力は部下の育成や子育ての現場など、それぞれの持ち場に帰った時、きっと活きるはずだと考えます。

信頼と期待こそが人を育てるからです。

「信じること」は簡単なようで、実は難しい。

だからこそ、挑戦しがいがあります。

 

 

ファクトやエビデンスという条件を要求するのではなく、まずは自ら信じる力を養う場所を創りたい。

そんな最高の居場所をきっかけに明るい未来が育まれることを想像して、何だか、心躍る2022年の春です。

 

 

             代表取締役 中島崇学

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